善徳女王3大遺跡を韓流観光スポットに

新羅第27代善徳(ソンドク)女王(在位632~647年)は韓国の歴史上初めての女王だ。真平(チンピョン)王が跡継ぎのないまま死去すると、国民は長女を王として擁立した。善徳女王は在任中に善政を施し、瞻星台(チョムソンデ)や皇龍寺(ファンリョンサ)の九重木塔を建立した。善徳女王陵は慶州市普門洞(キョンジュシ・ポムンドン)の狼山(ナンサン)に位置する。

善徳女王関連の遺跡とプログラムが今年に入り新たな観光商品として浮上している。22日に放映が終わったテレビドラマのおかげだ。

善徳女王陵を訪れる人は目に見えて増えた。慶州市文化観光課のパク・オクスンさんは、「これまで関心のある専門家が善徳女王陵を訪れる程度だったが、ドラマがヒットしたことで最近は週末になると家族連れや学生などが列を成している」と話す。そこで慶州市は10月から善徳女王陵周辺に駐車スペースを大きく増やし、乗用車の駐車スペースを70台に拡充した。

また、今年初めて登場した善徳女王のお出ましは12回にわたり行われ、観覧客だけで25万人に達した。善徳女王のドラマが撮影された新羅ミレニアムパークにも週末には観覧客が押し寄せる。おかげで11月現在、慶州を訪れた観光客は昨年の同じ期間に比べ2%多い789万人となった。

外国人は7%増の47万人が慶州を訪れた。今年は新型インフルエンザの影響で修学旅行が大挙取りやめになったことを考えると少なくない伸びだ。

◆3大遺跡に20億ウォン投入=慶尚北道(キョンサンブクド)は2010年の「韓国訪問の年」を迎え、善徳女王陵と女根谷(ヨグンゴク)、羅王台(ナワンデ)の善徳女王3大遺跡に20億ウォンを投じて観光基盤を構築する。善徳女王陵には狼山をめぐる道を造る。女根谷には展望台と展示館を建て、閉鎖された泉を復元することにした。また羅王台には散策路を開設し、ウッドデッキと東屋などの施設を設ける。このほか仁川(インチョン)国際空港と慶州を結ぶシティツアーも運営する計画だ。

慶尚北道観光開発課のチェ・ヒョンスクさんは、「日本など14カ国に輸出された善徳女王のドラマの放映を合わせて慶州を韓流観光の中心地となるようにしていく。善徳女王ツアーも活性化する」と話している。

痴漢対策:埼京線の電車内に防犯カメラ 28日から設置

痴漢対策の一環として、JR東日本は28日から、東京と埼玉を結ぶ埼京線の一部の電車内に防犯カメラを試験的に設置する。通勤電車内に設置するのは全国で初めて。同社内では当初、乗客のプライバシー保護の観点から慎重論もあったが、首都圏の路線で痴漢被害が最も多く発生している現状を重くみて、導入に踏み切った。

 電車内での痴漢対策を強化している警視庁と埼玉、千葉、神奈川の3県警は10月、首都圏の鉄道事業者を招いた官民会議で、電車内に防犯カメラを設置するよう要請していた。

 JR東によると、山形新幹線や「成田エクスプレス」のデッキには防犯カメラが設置されているが、置き引きやテロ対策が目的。通勤電車は前例がなく、「乗客のプライバシーを侵害することにならないか」という慎重論があった。

 しかし、コンビニの防犯カメラによる撮影や録画に違法性はないとした名古屋高裁判決(05年3月)などを検討した結果、映像を犯罪捜査以外に使わず、一定期間保存後は消去するなど運用を厳格にすることで、問題をクリアできると判断したという。

 警視庁によると、今年1~9月の都内の電車内における痴漢被害(強制わいせつを含む)は計1174件。路線別では埼京線が146件と最多で、痴漢仲間を募るネット掲示板を見て集まった男らが集団で痴漢をしたケースもあった。このためJR東は、埼京線の一部車両で試験運用することを決めた。効果を分析したうえで、設置車両の拡大や他路線への導入を検討する。

 一方、他社には今のところ追随する動きはない。京王電鉄広報部は一定の抑止効果はあるとしつつも、「満員電車には死角が生じるため、実効性は低いのではないか。現時点で検討していない」。東急電鉄広報担当も「プライバシーの問題を考えると難しいが、世論が高まれば検討する可能性はある」としている。【川辺康広】

リニモ連携が肝、イオンが推進役 長久手古戦場駅周辺の開発

2011年度に市制に移行する長久手町。行政側はリニモを基軸にいっそうの都市的発展を遂げる構えだが、鍵となるのは中央地区と呼ばれる「長久手古戦場駅」周辺の開発だ。土地区画整理組合の設立準備が進むほか、イオングループの商業施設進出がこのほど内定。長久手の新しい“核”が動き始めた。

 町の第5次総合計画は、同駅周辺を「本町の新たな顔(シンボル・コア)として整備します」とうたう。広場と商業施設を組み合わせた「リニモテラス」をつくり、交通・商業・行政といった複合的な機能をもたせるという。町有数の重要拠点に生まれ変わる。
推進役となるイオングループの商業施設は、区画整理予定地のうち駅北側の3・9ヘクタールに及ぶ。駅とデッキで結ばれる。リニモ利用につなげる仕掛けや、隣接する古戦場公園との連携も期待されており、13年度のオープンを目指す。

 区画整理は駅周辺の27・4ヘクタールが対象。これまでに地権者の約80%、面積にして約85%の同意を得た。地権者でつくる発起人会は本年度中の組合設立を目指し、協議を重ねている。事業の計画人口は約1700人。

 リニモがあるからこそ開発が進み、開発で施設や住宅が張り付くと乗客は増える-。県や町の青写真では、リニモと開発は両輪だ。県や沿線市町が将来像を描いた「リニモ沿線地域づくり構想」では、古戦場駅周辺は西の起点。他駅の沿線開発を促す可能性もある。

 ただ、農村と都市が交流する「農都共生」、万博理念の継承を掲げる町にとって乱開発はご法度だ。注目されるのは、都市機能を駅周辺の中心部に集約する「コンパクトシティー」の発想。町都市計画マスタープラン策定委員の松本幸正・名城大教授(43)は「自動車を利用せず、緑を豊かにすれば環境負荷を軽くできる」と利点を話す。住民の生活の質を高め、行政コストを抑える効果も考えられる。

 期待あふれる一方で、懸念もないわけではない。「人口減少や産業の成熟など、右肩上がりの時代ではなくなった。従来の沿線開発は通用しないかもしれない」と松本教授。

 勢いに乗る長久手町を支えるのは人口増加だが、ピークを過ぎた後も活力を持続できるかどうか。中央地区での事業の成否は「市」となる長久手像を大きく左右しそうだ。

 (松本浩司)

熊野灘のフェリー座礁:事故から1カ月 漁業関係者、漁できぬいらだち /三重

◇損傷進む船体、えい航撤去は困難か
 熊野市沖の熊野灘で起きたフェリー「ありあけ」横転・座礁事故から13日で1カ月を迎える。船体は御浜町の七里御浜海岸に横たわったままで、漁に出られない漁業関係者はいらだちを強める。漁協や地元自治体は、さらなる重油漏れなどを懸念し、現場での解体を避けるよう所有者のマルエーフェリー(鹿児島県)に要求しているが、船体の損傷が進んでおり、えい航撤去は不可能との指摘が出ている。【岡大介、汐崎信之】

 ●なお残る重油

 撤去について同社はこれまで、現場での解体を一度は示唆した。有村和晃社長が4日、県に呼ばれ現場解体を避けるよう求められた後も、「えい航がベストかもしれないが、(可能か)まだ分からない」と慎重姿勢だった。

 背景には、座礁した船体が自重に耐えきれず「かなり損傷が進んでいる」(尾鷲海上保安部)状況がある。あるサルべージ関係者は「船体をそのままえい航するのは、まず無理」とし、「現場解体を避けるのであれば、船体を三つほどに輪切りして台船に乗せ、別の場所に移すのではないか」と話した。

 重油の除去作業も終わっていない。事故当時、船体に残っていたとみられる重油500キロリットルのうち、10日現在で418キロリットルは抜き取られた。だが、デッキなどに付着した油の除去に手間取り、完全除去にはさらに時間がかかるとみられ、撤去作業を始める見通しすら立たないのが実情だ。

 ●「年越せない」

 一方、事故による重油流出などから、地元の紀南漁協(紀宝町)は10~12月が最盛期のイセエビ漁を含むすべての漁をストップしている。熊野漁協(熊野市)も定置網漁などの一部操業停止を余儀なくされている。

 紀南漁協の佐田美知夫組合長は「漁業者の多くは借金をしながら操業再開を待っている」と窮状を訴えるが、有村社長は「撤去には来年半ばまでかかるかもしれない」と漁協側に伝えている。マルエーフェリーは漁協組合員に対し「つなぎ資金」の提供を申し出ているものの、80代の組合員は「この程度で年が越せるか」と憤りを隠さなかった。

アヴァロンの鍵オンライン:正式サービス開始 「第壱期生」の称号プレゼント

PC用オンラインゲーム「アヴァロンの鍵オンライン」(GPコアエッジ)の正式サービスが10日、始まった。基本料無料、アイテム課金制。正式サービスに合わせて、特別な「称号」などをプレゼントするキャンペーンを実施している。

 「アヴァロンの鍵」は、セガの4人対戦型のアーケード用ボードゲームが原作。鍵を持つ「ホルダー」と、鍵を持たない「チェイサー」に分かれ、鍵を持って画面上のマスにある「ほこら」に3回入れば勝ちとなるルールで、30枚のカードからなる「デッキ」からさまざまなカードを引き、鍵を奪い合いながらゴールを目指すトレーディングカードゲーム。

 正式サービス開始を記念して、1月13日午後1時までに、キャラクターを作成したプレーヤー全員に「第壱期生」の称号が与えられる。また、レベルに相当する「学位」を三つ上げたプレーヤーにチップ10枚、五つ上げた人にゲーム内通貨100ゴールドがプレゼントされる。【河村成浩】

【関連リンク】
公式サイト
http://www.avalon-online.jp/

夫婦の夢 里山ログハウス

基山町の里山に、夫婦が手作りのログハウスや眺望風呂を設け、癒やしの場として開放している。妻の乳がん手術を機に「残りの人生は好きなことをしたい」と、約15年をかけて夢を形にした。夫婦は「皆さんに喜んでもらいたい」と話している。(柿本高志)

 中野英機さん(69)と妻敬子さん(66)。整備したのは町役場から約300メートル離れた所に所有する里山で、「心身の癒やしの場・菜花野(なかの)」と名付けている。

 敬子さんはアパレルメーカーで働いていた50歳の時、がんの手術を受けた。「心身をぼろぼろにして働くより、好きな花と自然に囲まれて心安らかに暮らしたい」。仕事を辞めて荒れ放題だった里山に草花を植え、各地の観光地を見て回り整備する構想を練った。

 不動産管理会社に勤めていた英機さんは、妻の生き生きとした姿に触発され、定年2年前の63歳で退職。知人や業者に依頼して重機で約1600平方メートルの土地をならし、敬子さんのデザインを基に、廃屋から出た柱や知人にもらった木材でログハウスなどを整備していった。足りない材料はホームセンターで購入。造成費や材料費の千数百万円は退職金や預金で賄った。

 3年前に約30平方メートルのログハウスと、福岡県・耳納連山まで見渡せる展望デッキが完成。今年5月、鉄製の風呂釜を補修し、脱衣所を新築して眺望風呂を設けた。10月末にはログハウス近くにレンガを積み重ね、ピザを焼く石窯も造った。

 ログハウスでは、夫婦がコーヒーでもてなす。希望者は事前に連絡すれば風呂や石窯を利用でき、「仕事のストレスを解消できる」と福岡市から訪れる人もいるという。

 「夫が楽しそうに過ごしているのが何よりうれしい」と目を細める敬子さん。英機さんは「体力があるうちに退職してよかった。長く親しんでもらえるよう手入れを続ける」と話している。

 問い合わせは英機さん(090・1345・7692)へ。

(2009年12月8日 読売新聞)

イベント:「雪のクリスマス」、可児で始まる /岐阜

可児市瀬田の花フェスタ記念公園で2日、雪ダルマの巨大絵やイルミネーションで彩ったトンネルなどで雰囲気を盛り上げるイベント「雪のクリスマス」が始まった。

 イベントは、西ゲートから花の地球館にかけて実施。展望デッキの「バラのベルベデーレ」から展望できる芝生広場には長さ約70メートルの巨大な“地上絵”として、マフラーをした雪ダルマが描かれている。園芸用の3色の防寒シートを使って作ったもので、昨年に続き2度目の展示。地球館に続くトンネルには1万7000個の電球を使った長さ約50メートルの「光のトンネル」が設置されている。このほか地球館では、ポインセチアを中心に作った高さ約5メートルのクリスマスツリーが飾られたフラワーショーを実施しており、クリスマスムード一色になっている。いずれも25日まで展示する。【小林哲夫】

「ひなの湯」隣に宿泊施設を建設 河北町、11年冬オープン目指す

 河北町は、べに花温泉ひなの湯(谷地)の東側に隣接する町有地に宿泊施設を建設する。観光やビジネス客向けの宿泊拠点とする考えで、2011年冬のオープンを目指している。

 同町は本年度から農村体験旅行の受け入れ態勢づくりに取り組んでおり、宿泊施設は体験活動の拠点として整備する。現在、同町中心部には宿泊施設がないため、一般の観光客やビジネス客の利用にも期待している。

 施設は木造平屋約670平方メートル。収容人数は34人程度で、シングルの洋室が中心となる。農作業体験で収穫した野菜などを持ち込んで調理し、食事もできる交流スペースや、屋外にはバーベキューや芋煮会を想定したウッドデッキを整備するのが特徴。ひなの湯とは渡り廊下で直結させる。宿泊料金は1泊素泊まりで3500円ほど、朝食付きで4000円ほど(ともにひなの湯の入浴料を含む)に抑える。

 総事業費は約2億円。国の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金を活用し、町の負担は半額程度となる見込み。現在は実施設計を進めており、来年着工する。運営はひなの湯同様、町の第三セクター「河北町べに花の里振興公社」に委託する方針。町産業課は「町中心部の観光施設として都会から誘客を図り、交流人口を拡大したい」と話している。

屋上菜園、壁にアイビー 緑化ビジネス県内も盛ん 

街に緑を増やす動きが全国で広がっている。兵庫県は、ビルなどの屋上緑化の面積が都道府県で上位に入るなど、全国有数の先進地。関係する企業も多く、最近は屋上や駐車場だけでなく、室内外の壁面活用、屋上の菜園化、土なしでも室内に緑を取り込める商品の開発など、さまざまな空間の緑化に乗り出している。(阿部江利)

 総合建設業の村上工務店(神戸市兵庫区)は2007年11月から、室内に特化した壁面緑化システムの「プラントウォール」を手がける。壁にアイビーなどの植物を密生させ、タイマーで水やりや光を管理する仕組みで、「空気をきれいにする効果を狙う」という。鉢植えのように店の有効面積を犠牲にしないで緑化できる利点もある。

 国内では現在、ブティックなどの店舗3カ所で導入されている。同社は「ここ1年は問い合わせが相次いでおり、手応えを感じている」という。

 屋上にウッドデッキを設置し、一部を菜園にする事業を今年から始めたのは、木材加工のフレシオンかめや(同)。植物栽培による癒やし効果やコミュニケーションの円滑化などが期待できるとして、大阪市の大型複合施設「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」でも導入される予定。菜園は一般向け貸農園として活用されるという。フレシオンかめやの井上豊社長(67)は「県内にも菜園化できる場所が多く、需要は広がるはず」と期待する。

 このほか、鉄スクラップなど売買のダイハチ(神戸市東灘区)は今年6月、水耕栽培用の室内向けプランターを発売した。ペットボトルを差しておくと水分を適量補給してくれる仕組み。土を使わないため取り扱いが簡単。営業担当の武本栄介さんは「病院や店などで100個程度が売れた。オフィスや家庭の緑化に活用してもらえれば」と販路拡大を目指す。

 国土交通省が全国の造園建設や資材業者などを対象に実施した調査では、08年度の全国の新規屋上緑化面積は約33・6ヘクタールで、前年比1割ほど減少した。一方、壁面緑化は約7・5ヘクタールで、前年比で約5割も増加している。都道府県別の屋上緑化面積では、東京が全体の35%を占め、神奈川、愛知、大阪、兵庫の上位5都府県で約7割を占める。兵庫は、08年度に全国3位となる約3万450平方メートルが屋上緑化され、2000年からの累計でも5位と多い。壁面緑化も累計2位となっている。

行政も後押し

 行政の後押しも進む。全国では、名古屋市や横浜市が、比較的大きな敷地に住宅を建てる場合に、一定の緑化を義務づけている。

 兵庫県でも、建物の敷地や屋上、壁面の緑化などは「環境の保全と創造に関する条例」で緑化義務を定めており、建築面積が1千平方メートル以上の建物とその敷地にかかる緑地が対象となる。また、義務分を上回る緑化をしたい場合や自発的に緑化に取り組みたい団体などには、10年度までは「県民まちなみ緑化事業」で補助金などが受けられるケースもある。

 県県土整備部都市政策課によると、09年3月末時点で、同条例の対象として約30ヘクタール(対象には壁面緑化や太陽電池設置面積なども一部含む)の建築物緑化計画の届け出がある。同課は「今後もより一層、都市緑化を進めたい」としている。