河北町は、べに花温泉ひなの湯(谷地)の東側に隣接する町有地に宿泊施設を建設する。観光やビジネス客向けの宿泊拠点とする考えで、2011年冬のオープンを目指している。
同町は本年度から農村体験旅行の受け入れ態勢づくりに取り組んでおり、宿泊施設は体験活動の拠点として整備する。現在、同町中心部には宿泊施設がないため、一般の観光客やビジネス客の利用にも期待している。
施設は木造平屋約670平方メートル。収容人数は34人程度で、シングルの洋室が中心となる。農作業体験で収穫した野菜などを持ち込んで調理し、食事もできる交流スペースや、屋外にはバーベキューや芋煮会を想定したウッドデッキを整備するのが特徴。ひなの湯とは渡り廊下で直結させる。宿泊料金は1泊素泊まりで3500円ほど、朝食付きで4000円ほど(ともにひなの湯の入浴料を含む)に抑える。
総事業費は約2億円。国の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金を活用し、町の負担は半額程度となる見込み。現在は実施設計を進めており、来年着工する。運営はひなの湯同様、町の第三セクター「河北町べに花の里振興公社」に委託する方針。町産業課は「町中心部の観光施設として都会から誘客を図り、交流人口を拡大したい」と話している。