【マレーシア】環境配慮原木を長期購入、双日がサバで

7月27日8時30分配信 NNA

 双日が、マレーシアで環境配慮型の木材事業を強化する。国際機関が承認した環境に優しい原木の調達を拡大するもので、このほどサバ州の林産大手サバ・ソフトウッドから年間2万立方メートルを購入する契約を交わした。単年ごとに自動更新する契約で、長期的に安定調達を図る。

 双日の広報担当者が23日、NNAに説明したところによると、非営利の国際組織である森林管理協議会(FSC)の承認を受けた植林木を購入する。FSC森林承認制度は、環境保全の観点から適切に管理されている森林地を承認し、木材・木材製品に承認ロゴマークを付けるもので、主に植林地が対象となる。承認材を購入する背景には「欧州での環境意識の高まりを背景に、需要が拡大している」ことがある。
 
 調達したFSC承認の原木はベトナムに供給する。同国が世界的な木材加工地となっていることから、同国の製材工場や家具メーカーに販売。認証マーク付きの家具やウッドデッキなどとして、欧州に供給されるという。
 
 双日は併せて、ソロモン諸島で植林を行う韓国系のイーゴン・パシフィック・プランテーション(EPL)とも、年間5万立方メートルの植林木を購入する契約を結んだ。この植林地も、2010年にFSCの森林承認を取得する予定としている。
 
 日本で原木需要が減少する中、ベトナム、中国、インドなどアジアの需要は伸びている。中でも環境に配慮した木材の需要が高まっていることから、双日は持続可能な原木の調達多様化でアジア市場への販売を強化する。2011年の原木取扱量を、08年比35%増の175万立方メートルに引き上げる目標だ。
 
 08年の原木取扱量は130万立法メートル。マレーシアを含む南洋材は25立方メートルを占め、うちマレーシアが8万立方メートル、パプアニューギニア・ソロモン諸島が17万立方メートルだった。原木は相場もので、従来は船1隻(1,500~2,000立方メートル)単位で購入することが多かった。

加藤洲十二橋:老朽化8本、改修終了 絵描きプレート設置--香取 /千葉

6月30日13時1分配信 毎日新聞

 細い水路を小舟で巡る香取市の観光スポット「加藤洲(かとうず)十二橋」(同市加藤洲)が改修を終え、生まれ変わった。12本の橋のうちシロアリ被害などで老朽化が進んだ8本を架け替え、橋の名称にちなんだ絵を描いたプレートを設置。訪れる観光客を楽しませている。【駒木智一】
 加藤洲地区は香取市と茨城県潮来市の県境を流れる常陸利根川の南岸に位置する。地区内を流れる新左衛門(しんざえもん)川の両側に並ぶ民家をつなぐように12本の橋が架けられている。同市商工観光課によると、水戸藩主徳川光圀(みつくに)がたびたび訪れ舟遊びを楽しみ、「加藤洲十二橋」と命名したとされる。
 橋は元々は個人の所有物だったが、観光名所とするために90年に市が整備し、老朽化が進んだものを07年から2年かけて架け替えるなどした。橋の材質をシロアリに弱いアカマツから、腐食に強くウッドデッキなどに使われる輸入材「イペ」に変えたことで、耐用年数も伸びるという。
 架け替えにあたっては地元住民がそれぞれの橋の名称を考えた。プレートのデザインは名称の由来にちなみ、地元の新島小学校の児童と共同で考案した。潮来の芸者街に繰り出すかどうか思案したという「思案橋」には芸者のイラストが、近くに子育て観音のまつられた寺のある「こそだて橋」には観音像が描かれている。
 同課は「生まれ変わった十二橋が観光誘致の起爆剤になってくれれば」と期待している。