JR岐阜駅前に高層タワーを建築する「問屋町西部南街区第1種市街地再開発事業」の概要が29日、岐阜市内のホテルで発表された。JR岐阜駅に直結する歩行者デッキも設けられ、2007年完成の岐阜シティ・タワー43とツインタワーを形成する。来年1月に着工、12年夏から秋に完成予定。
同事業は、約6900平方メートルの敷地に地上37階の東棟タワーと地上11階の西棟を駐車場棟(6階)で結ぶ。既存の三井ビル、大同ビルをコの字型に囲むようにして建てられる。総事業費は約165億円。
同街区の市街地再開発組合は組合員94人だが、権利者は176人に上り、山内道夫理事長は「権利者の理解と努力でようやく全員の同意が整った」と喜んだ。全員同意型の市街地再開発事業では、中部圏最大で、全国でも最大規模という。
東棟タワーは1、2階が商業床で2階の約1300平方メートルはテナントを募集する。3、4階はオフィス床、5~37階の約270戸をライオンズマンションを展開する大京と一条工務店が分譲する。約400台が駐車できる駐車場棟に連結する西棟は、1階が商業床、2~5階はオフィス床で、6~11階には154室のホテル「ドーミーイン」が入る。
西棟は、1996年に創設された特定業務代行制度を活用した。特定業務代行者の戸田建設が、工事施工から完成したフロアの取得、処分責任を負うもので、県内で同方式による再開発事業は初めて。岐阜市の細江茂光市長は「新しいタワーが完成すれば都心居住、にぎわいの創出が進む。JR岐阜駅前の活性化は、市、県、中部圏の発展につながる」と祝辞を述べた。
(2009年10月30日 読売新聞)