広場の大部分が木々で覆われ、利用者がほとんどいなかった羽曳野市役所前の「花博記念パーク」が、芝生やウッドデッキ、ミニ図書館を集めた「親子ふれあい広場」として生まれ変わった。市が広場の有効活用策を職員から募り、最優秀賞に選んだ案を基に設計した。広場からは近くの土手沿いに咲くソメイヨシノ約60本が見渡せ、市は「花見も楽しめる。気軽に足を運んで」と呼びかける。
花博記念パークは、1990年に大阪市で開かれた「国際花と緑の博覧会」のパビリオンなどを市が無償で譲り受け、91年に整備した。パビリオンは98年から気象情報を伝えるスタジオとして活用していたが、広場の大部分が植栽で覆われていたことなどから、利用する市民は少なかった。
一方、広場近くの土手では毎年、花見客が多く、北川嗣雄市長が「市民の憩いの場として改修できないか」と発案。昨春、職員にアイデアを呼びかけたところ、23件が寄せられ、建築指導課・松村貴史さん(37)の案を最優秀賞に選んだ。
広場は570平方メートル。パビリオン(38・5平方メートル)は、靴を脱いで読書ができるミニ図書館として再利用し、児童書など約500冊を備えた。天然芝生(320平方メートル)とウッドデッキ(50平方メートル)の多目的スペースや、水遊びができる手押しポンプを設け、車いす利用者用の駐車場も確保している。
工事費は2250万円。市職員が設計したため、経費は外部発注と比べ200万円程度安く済んだという。市は「職員のアイデアで誕生した広場。子どもらの笑い声が響く市役所に」と期待している。
また、広場内にあった木々は近くの公園に移植したほか、花博関連のトーテムポールなどは市内の施設などに移した。
(2010年4月8日 読売新聞)