鹿児島県のミスで工事入札無効

鹿児島県北薩地域振興局発注の県営住宅住戸改善工事入札で、同振興局が予定価格と工事場所を一部の業者に誤って通知したため、入札を無効とし、正しい情報を受け取った業者の落札決定を取り消していたことが2日、分かった。誤通知を受けた業者はすべて最低価格を下回り、失格となった。県は「公正・適正な競争が行われる環境でなかった」として、今後再入札する。
 県土木部監理課によると、落札前までにミスに気付き、入札を中止したケースはあるが、落札決定後の取り消しは異例。 
 県によると、工事は「ウッドタウン宮之城団地地デジ受信施設改善」で、10社による指名競争入札。9月17日に電子入札システムを導入している8社に通知した際、予定価格約290万円を約102万円と誤り、工事場所も「さつま町宮之城地区」を「薩摩川内市平佐地区」としてメール送信した。残る2社には文書通知で、正確な情報が伝えられた。
 入札は9月30日にあり、文書通知を受けた2社のうち1社が落札。結果は同日中に他社に伝えられ、「102万円とされた予定価格より高い額で決定しているのはおかしい」と指摘があり、発覚したという。
 同振興局は「落札は決めたが、契約関係にはない」。落札した業者は「役所の失敗を押しつけている。間違いで済まない」と話している。
 県監理課は「連絡事項は通知前に回覧して確認するが、形式的になっていたかもしれない。確認の徹底を喚起したい」としている。

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