12月17日17時4分配信 紀伊民報
田辺市芳養町、社会福祉法人ふたば福祉会の福祉作業所「たなかの杜(もり)」への進入路になっている市道沿いで、ごみの不法投棄が続いている。ドッグフードや魚の頭部などが捨てられ、それを目当てにカラスが集まるため、作業所の網戸が壊されたり、ふん害が出たりしている。市や作業所はモラルの向上を呼び掛けている。
市有地の一角に建つ作業所は今年4月に開所した。障害者約30人が通所し、施設内では箱折りや菓子作りなどに励んでいる。
開所する以前から、敷地内や市道の脇にごみが捨てられており、市は今年6、7月に市道沿い2カ所に不法投棄禁止を訴える看板を設置した。
ごみを餌に集まる多くのカラスが作業所の玄関部分やデッキなどにふんをするため、施設の利用者が毎朝掃除している。屋根をつつかれて雨漏りしたり、網戸がぼろぼろになったりしているほか、車のワイパーを壊されることもある。
最近では13日夜から15日朝にかけ、魚の頭部や小魚などが市道の脇の斜面に捨てられており、ボランティアで草刈りや不法投棄のパトロールをしている保護者が発見した。
ごみは作業所が閉まっている週末、または早朝や夜遅くに捨てているとみられる。夏場は悪臭が漂う。ごみが山積みになっていたこともあり、あまりに多いときは市と福祉会で撤去している。施設周辺にはカラスだけでなく、野良犬も5、6匹いるが、いまのところかまれるなどの被害は出ていない。
市やすらぎ対策課障害福祉室は「モラルをきっちり守ってほしい。野良犬への餌となり、利用者がかまれる危険性があるので不法投棄はやめてほしい」と話す。
たなかの杜職員の西中梓さんは「徒歩や自転車で通所している利用者もおり、夏場は悪臭で困ることもある。マナーを守ってほしい」と話している。