県庁舎移転!?:JR長崎駅周辺、壮大な開発構想 /長崎

11月26日16時1分配信 毎日新聞

 ◇県議会、膨らむ費用に疑問や批判
 県庁舎の旧長崎魚市跡地(長崎市)への移転案に連動し、県が構想するJR長崎駅周辺開発の全体像が見えてきた。九州新幹線西九州(長崎)ルート敷設に伴う長崎駅移設により、新駅舎と新たな県庁舎を結ぶ歩行者デッキを建設。眺望を害するとして高架の旭大橋を取り壊し、平面化するなどの壮大な構想だ。しかし、開発費が膨大になるのは必至で、県議会から疑問や批判が相次いでいる。【宮下正己】
 長崎駅周辺は、既に駅舎を西側150メートルに移すことを含めたJR長崎線の連続立体交差事業(総事業費400億円)、長崎市の土地区画整理事業(同170億円)が進んでいる。県は新幹線を起爆剤に、駅周辺を「玄関口」として開発する構想で、県庁舎の移転もその一環となる。
 県が県議会などで明らかにした構想を総合すると、魚市跡地に新たな県庁舎の行政棟(11~23階)▽県議会棟(5階)▽県警本部棟(6~11階)――を2~3棟建て、高架となる長崎新駅舎と歩行者デッキで連結。旭大橋の平面化に伴い、交差する都市計画道路「浦上川線」を地中化させる。
 また、魚市跡地に五島への高速船の船着場を整備。魚市跡地と大波止方面を結ぶ橋も新設する。長崎市に要請している、市立市民病院と日赤長崎原爆病院との統合病院は駅西側を建設予定地とし、新県庁舎と共に駅周辺に公共施設を集め、開発の中心に位置付ける考えだ。
 県は25日の県議会県庁舎特別委員会で、魚市跡地での県庁舎新築費を約370億円と試算。移転経費約50億円、現庁舎解体費13~14億円と推計した。
 県議からは「県庁舎移転に伴い次々と費用が膨らむ。旭大橋の平面化なども移転費用に含めて説明すべきだ」「県庁舎建設のための積み立て基金(368億円)を超えて県民に負担を強いるわけにはいかない」などの意見が続出した。
〔長崎版〕

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