「島の日常」アートで描く

淡路島内を舞台に、島内外の芸術家がユニークな作品を発表する「淡路島アートフェスティバル2010」が今年も、8月1日から開催される。「暮らしっぷり淡路島」をテーマに、島での仕事や生活に密着。3会場で、島民の働く姿を映像や音で紹介したり、放置された公園の噴水をリゾート地のプールに“変身”させたりと、趣向を凝らす。29日まで。

 NPO法人・淡路島アートセンターが芸術家らに呼びかけて開き、6回目。

 旧淡路市立生穂第二小を改装した交流施設・ノマド村では、「テシゴトノオト handwork sounds」として、校庭の一角にモンゴル式テント・ユルテを設置。

 その中で、島内の大工や農家の女性ら5人の仕事ぶりを、映像と写真、音で紹介する。企画した一人で、映像作家の茂木綾子さん(41)は「島には昔からある仕事が残り、職人も多い。地域に焦点をあてた作品を作りたかった」と話す。

 村内では、淡路市の布団職人・土井章広さん(30)が「DOI ホイホイ」と銘打った作品を展示。ゴキブリ駆除用品の約15倍サイズの家を作り、中に布団を敷いて来訪者を待つ。「布団の気持ちよさにひたって」と土井さん。

 洲本市役所に隣接の屋上公園。東京都在住の彫刻家タノタイガさんが、「プライベート・パブリック・プール」として、放置されている噴水(直径6メートル)をプールに造り替え、周囲にウッドデッキを敷く。

 すもと公設市場では、地元の夫婦ユニット・アワジックホラー(安部崇之さん、美智子さん)が「喰暮―しょっく―」と名付けたアートを披露。空き店舗を活用し、子鬼が買い物する様子を描き、顔出し看板を設ける。

 フェス事務局は「アートが身近な所にあることを知ってもらい、気軽に作家と交流してほしい」とする。

 期間中、ノマド村は土日の正午~午後8時、プールは7~29日(雨天休止)の正午~午後5時に公開する。市場は午前10時~午後7時で、木曜定休。問い合わせは事務局(090・5066・4604)へ。

(2010年7月28日 読売新聞)

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