夫婦で案内「桜クルーズ」…大阪

桜のシーズンを迎え、大阪市内の川で遊覧船を運航している夫婦が、“桜クルーズ”を始めた。

 11人乗りの小さな船で、川沿いに咲く桜を楽しみながら大川~堂島川をアットホームな雰囲気で巡る。昨夏、〈水都・大阪〉の魅力を発信しようと遊覧船を始めた船長の中野弘巳さん(32)は「ひと味違う大阪の春を楽しんで」と呼びかけている。

 NHKのディレクターだった中野さんは2007年秋、当時、水上タクシーを運航していた、かおりさん(28)と結婚。かおりさんの操船で、川を巡るうち、川から眺める大阪の町の魅力にとりつかれた。1年前、かおりさんの出産を機に退職、2人で遊覧船「御舟かもめ」を始めた。

 熊本県で真珠養殖に使われていた小型船(約7メートル、幅2・5メートル)を、屋形船風に改造。くつろげるように客席にウッドデッキを敷き、大川や道頓堀川などで運航してきた。「潮の干満や、天候に影響され、都会に居ながら、大自然を感じることができる」と中野さん。これまで約650人を乗せ、リピーターも多いという。

 桜クルーズは、同市中央区の八軒家浜船着場を発着する約50分のコースで、朝食付きの「桜朝ごはんクルーズ」(大人3500円、小学生2000円)と、日中の「かもめ桜クルーズ」(大人3000円、小学生1500円)を用意。

 乗船した奈良県河合町の会社員下村重雄さん(36)は「見慣れた大阪の町も、川から見るとこんなに違うとは。新しい観光の目玉になると思う」と話し、妻の亜希子さん(36)も「ゆったりと桜を見て特別な気分。また利用したい」と満足そうに話した。

 中野さんは「川に親しむきっかけにもなれば」と期待している。桜クルーズは、4月25日まで。予約、問い合わせは「御舟かもめ」(06・6881・2877)へ。

(2010年4月1日 読売新聞)

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