名古屋鉄道、テーマパーク事業を拡充 南知多ビーチランド改修

名古屋鉄道はテーマパーク事業を拡充する。イルカやペンギンを目玉にした水族館「南知多ビーチランド」(愛知県美浜町)を1億3000万円を投じて改装。イルカショーをみせるメーンスタジアムを改修し、物販店を増築する。さらに大阪のメーカーと連携し高さ40メートルの観覧車も導入するなどして施設の魅力を高め、来春開業予定の他社の大型テーマパークに対抗する。

 南知多ビーチランドを運営するのは子会社の名鉄インプレスで、ビーチランド開業30周年にあたる来年3月に「イルカと距離感ゼロの水族館」(長谷川修平所長)として改装オープンさせる。毎日3~4回イルカショーをみせるスタジアムは、来年1月から改修工事に入り観客席の最前列にある手すりを撤去。音響施設や塗装も全面的に取り換える。

 スタジアムに隣接したイルカの待機場所も年内にウッドデッキに替えて、児童園児がイルカと握手できる「ふれあいデッキ」(長谷川所長)を用意。来年3月まで希望者全員がイルカと握手する特別施設にする。現在は1日約20人に限定している。

 観覧車の導入は、観覧車メーカーの泉陽興業(大阪市)と組む。約3億円する観覧車(定員72人)の設置費用を泉陽興業が負担する一方、観覧車収入は同社と名鉄インプレスが分け合う。名鉄側は初期費用を抑えて大型施設を導入できる利点がある。

 南知多ビーチランドの年間入場者数は、おもちゃランド部門を含め年間50万人。この5年で10万人強(28%)増えた。ただ低学年向けテーマパークは、ナガシマリゾート(三重県桑名市)が子供に人気のアニメ「アンパンマン」を題材にしたテーマパークを来春開業する予定。すでに横浜市にある類似のテーマパークは年間400万人を集客しており、強力なライバルになる。

 このため、目玉施設の改修や導入に踏み切るほか、収益力を上げるため物販施設も増築し、年間2万人の利用者増を目指す。ペンギンと身近に接することができる「ペンギンランド」の新設も検討に入った。

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