参加者一人ひとりが職場においてリーダーシップを発揮し、変革の推進役となる――。企業の第一線で活躍する管理者・監督者140名が5日、「強い組織・熱い職場をつくる」との総合テーマのもと、新しいリーダーシップのあり方や職場活性化の条件などを探る8日間の洋上研修に出発した。
横浜港からの出港を前に研修船「ふじ丸」(2万3000トン)のデッキで行われた結団式・壮行式では、まず、研修団の立石信雄名誉団長(オムロン相談役)が、「経済状況が厳しいなか、今回も、北海道から沖縄までの全国各地から60社、140名という多くの参加者を得て洋上研修が行われることを嬉しく思う。人生や仕事においては、個人としてのネットワークが重要である。この機会を活かし、幅広い業界・企業の方との交流を通じて学びを深め、修了後はそれぞれの会社の発展に尽くしてほしい」とあいさつした。
来賓として出席した神奈川県経営者協会の高橋忠生会長(日産自動車特別顧問)が、「今年は横浜港開港150周年である。江戸末期から明治の初めにかけて、多くの若者がこの港から外国を目指し、帰国後は日本の近代化に貢献してきた。現在はグローバル化の時代であり、アジアでは、日本・中国・韓国がカギを握る国である。今回の韓国訪問を今後の糧にしてほしい」と、参加者を激励した。
続いて、川本裕康日本経団連常務理事が、研修の成功、研修修了後の参加者の活躍に期待する旨あいさつ。また、講師代表として一橋大学大学院の守島基博教授が登壇し、組織活性化に向けたリーダーシップ発揮のあり方について課題提起していきたいと語った。
これに応え、南総通運の賀部光仁氏が、「今日の管理・監督者に求められる役割は何か、役割を果たすためにどのような行動力が求められるかをメンバー同士で率直に語り合い、それぞれが職場において変革の推進役となれるよう、新たなリーダーシップのあり方を学び取る」と団員を代表して決意表明した。
参加者は船内で寝食をともにしながら、講演や実務講座などを受講する予定。また、班・グループごとに、ディスカッションを通じ研修課題の決定、あるべき姿の検討、職場の現状分析、課題の整理、行動計画の策定、成果発表などを行う。一方、寄港地研修では韓国の仁川(インチョン)で企業・団体を訪問し、現地の実情を視察する予定である。
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