桑ノ木台湿原:立ち入り、ご遠慮を 観光客増え荒廃--鳥海国定公園 /秋田

2月25日12時1分配信 毎日新聞

 鳥海山撮影に絶好の場所として知られる鳥海国定公園内の桑ノ木台湿原が、観光客らの増加により荒廃が進んでいる。このため、保護対策を考える検討委員会(座長・蒔田明史県立大教授)は24日、同湿原への立ち入りを約2年間、控えてもらうことを決めた。
 同湿原は、鳥海山の北部、標高700メートルに位置し、ミズバショウやモウセンゴケを楽しめる。しかし、ここ3~4年は「鳥海山撮影に絶景」と報じられ、写真愛好家らが増加。週末には1日150人もが足を運んでいる。湿原に道路がないことも影響し、乾燥した部分や踏み固められた“道”も生じているという。湿原は元々、立ち入り禁止などの法規制が及ばない場所。検討委では、この荒廃を止める方策を考えていた。
 立ち入りを自制してもらうのは、今年5月から約2年間。湿地に通じる鶯川林道▽木境林道▽冬師林道の3ルート計7カ所に立て看板を設置し、観光客らに理解を求める。由利森林管理署やボランティアの巡視活動も予定している。
 由利森林管理署は、08年6月に鶯川林道で車両を通行止めにした。さらに、保護対策を考えるため、同署長の諮問機関として検討委を設立。自然景観の素晴らしさや観光資源を考慮し、立ち入りを禁止するのではなく、活用する方針を決めた。
 検討委は立ち入りが抑制される2年間で、観光客らが自由に歩き回ることのないよう、道路やデッキといった施設を整備したい考えだ。【馬場直子】

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