フェリー横転 「海に飛び込もうかと」

■乗客 ホースつかみ脱出

 熊野市沖で13日に起きたフェリーの横転事故。荒波がうねり海面が迫る状況を乗客や船長が語った。船体は海岸のそばまで押し流され、重油の膜が広がった。

 熊野市沖。時計は午前5時を回っていた。「ありあけ」は「ガーン」という音とともに船体を大きく右に傾けた。

 船内は、1~3階がトラックやコンテナを積む車両甲板で、5階が乗員の部屋。乗客のいる4階にも警報ブザーが鳴り響いた。乗客たちが目を覚ます。女性(41)もブザーに驚き、「急いで客室から通路に出た」。

 救命胴衣を着て通路で待機した乗客たちは、乗組員の誘導でデッキのある5階へ向かった。「荷物は持たないで」との声も飛んだ。傾く船内から左舷側の手すりに結ばれた消火用ホースをつかみながらデッキに脱出。デッキでは壁側にもたれかかって耐えながら、ヘリコプターの救助を待った。

 「必ず救助が来るから落ち着いて下さい」と乗組員。「がんばろうね」と励まし合う乗客の声が交錯した。

 ヘリは強風のため何度も上空を旋回した後、乗客をつり上げていった。
 頭などにけがを負った松本浩一さん(70)=東京都調布市=は「助からないと思った。死ぬんじゃないかと。海に飛び込もうかとも思った」。重信全宏さん(74)=鹿児島県湧水町=は救助後、「家族からテレビで無事を知ったから安心して帰ってきてと言われ、ほっとした」と話した。

■船長会見 傾斜がすごくて 風下飛び込めず

 13日午後開かれた記者会見での松元浩人船長とのやりとりは以下の通り。

 ――トラックやコンテナが波で傾いたのか。

 「一発の(大きな)三角波で、急に右舷傾斜し荷崩れしたと判断している」

 ――波の高さは。

 「あの海域の状況から4メートル前後の波浪だったと思う。だから三角波自体はもっと大きいのが来たと思う。1・5倍とか」

 ――どのあたりからか。

 「左舷の後方だと思う」

 ――救助される経緯は。

 「風下の左舷側から飛び込みたかったが、傾斜がすごくて飛び込めなかった。仕方なく波があったが、右舷側から飛び込んだ」

 ――命が危ないという危機感はあったか。

 「もうだめかなとは全然考えてなかった」

 ――海に飛び込んだ際の高さはどのくらいか。

 「8メートルか、10メートル近くあったんじゃないかと思う。波が大きくて、救命ボートの1台が、(自分が海面から乗った)もう1台の上に乗っかかってしまった。(こちらから)声をかけるんだけど、声が聞こえないから、本当に心配だった。その後、巡視艇の救命ボートで引き上げてもらった」

◆漏れだした重油 海黒く◆

 座礁した「ありあけ」は、御浜町の七里御浜沖で右舷を下にして横倒しになり、その甲板にも時折波が打ち付けていた。フェリーの周辺は漏れ出した重油で、荒れた海は黒く変色した。

 海岸には「ゴー」という音とともに、人の背丈の3倍以上の波が打ち付けた。様子を見に来た地元の人たちが、船の状態を心配そうに見守った。熊野市の男性(63)は「40年くらい前にも、(熊野市の)獅子岩の所で船が座礁したことがある。この辺は海が荒れると危険。横倒しになっていて、船をどうやって引き上げるんやろか。とにかく波が収まらんことにはな」と話した。

突風:前線が通過、掛川で被害 静岡気象台「竜巻と推定」 /静岡

低気圧の前線が通過した影響で、県内で11日早朝を中心に強い雨が降った。浜松市北区三ケ日町三ケ日では午前7時20分からの1時間雨量が38・5ミリとなり、11月としては1976年の観測開始以来、最大雨量を記録。掛川市では、突風で窓ガラスが割れるなど被害が相次いだ。職員を派遣して調べた静岡地方気象台は同日夜、被害が直線的に広がっていたことなどから、この突風を「竜巻と推定される」と発表した。

 同気象台によると、大雨洪水警報が一時出されたのは伊豆、中部南、遠州北、遠州南。各地の1時間雨量は、伊豆市土肥で午前5時10分からの1時間で37ミリ、静岡市葵区梅ケ島で午前9時からの1時間で30・5ミリを記録。御前崎市では午前9時すぎ、最大瞬間風速25・5メートルを観測した。

 県警などによると、掛川市千浜地区では午前9時10分ごろ、突風が吹き、材木店の窓ガラス1枚が割れ、看板や雨どいの一部が破損。国道150号を挟んだ住宅展示場の事務所入り口の窓ガラスや木造デッキが壊れたほか、約200メートル離れたビニールハウス3棟のビニールも破れた。けが人はなかった。

 被害に遭った材木店の男性社長(54)は「雨脚が急に強くなり『ゴー』という音がした直後、窓ガラスが割れた。外を見たら、積んであったスギ板(長さ4メートル)が舞い上がり、風が渦を巻いて走り去るのが見えた」と語った。現場は遠州灘海岸から北に約1・5キロの地域で、住宅が点在している。【舟津進、山田毅】

日暮里駅前の太田道灌像を清掃

東京都荒川区西日暮里のJR日暮里駅前で11日、江戸城を築いたことで知られる太田道灌(1432~1486年)の騎馬像「回天一枝」の清掃作業が行われた。

 騎馬像は道灌の「山吹伝説」にちなんだ場所があるなどゆかりが深いことから平成元年に東京荒川ライオンズクラブが寄贈したもので、台座を含めると高さ8メートル。

 清掃には同クラブ会員や東京電力上野支社、荒川署などから約30人が参加。雨が降りしきる中、はしごやゴンドラからデッキブラシや歯ブラシを使って丁寧に汚れを落とした。

屋上バーを兼ね備えた大人のためのレストラン「2031」が10月7日、渋谷・神山町にオープン!

イタリア服飾雑貨の輸入販売を行なう株式会社フルニ(東京都渋谷区、代表取締役・高山和子氏)は、10月7日、自社ビルの1階と屋上からなるレストラン「2031」をオープンした。

場所は、渋谷駅から少し離れた、高感度なショップの集まる神山町エリア。インテリアのコンセプトは、斬新でモダンな「大人の癒し空間」。レンガ壁に囲まれた店内は、ヨーロッパの意匠を凝らしたモダンで温かみのある空間。イタリアから直輸入した什器やインテリア雑貨が彩る落ち着いた雰囲気だ。料理は、処々に和のテイストを取り入れた、目にも美しいフレンチイタリアンがベース。フレンチとイタリアンの2名のシェフが、絶妙なコラボレーションでオリジナル料理を提供する。国産の良質素材にこだわり、井戸水で洗ったハーブや新鮮な野菜類、産地を厳選して仕入れるA4クラスの和牛など、安心で美味しい食材を使用。すべて有田焼や佐賀焼など陶器の和皿で提供し、伝統的な和の美しさと、モダンなフレンチイタリアンとの斬新なコラボレーションを提案する。

また、2031のもう一つの楽しみが、屋上にある隠れ家バー。エレベーターで上がった屋上は、ウッドデッキを施した40坪の広々とした空間。スツール付のカウンターやフード付きのソファなど、わずか25席をゆったりと配している。高山氏は、「弊社では、オリジナルブランド“fortuna”をはじめ、イタリア・フィレンツェから直輸入のファッション・雑貨を販売しており、飲食事業は初の試み。1階のレストラン、2階のアパレルショップ、そして屋上のバーと、複合的に使っていただきたい」と話し、今後の出店にも意欲的だ。

市橋容疑者、「イノウエ・コウスケ」と名乗る

「変わった男と思っていたが、まさか指名手配犯だったとは」。英会話学校講師のリンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の殺人・死体遺棄事件で、死体遺棄容疑で指名手配されている市橋達也容疑者(30)が、1年余りも大阪に潜伏していたことが明らかになり、手配容疑者と職住を共にしていたことを知った元同僚らは、驚きの声を上げた。

 事件当初の手配写真とは「別の顔」だったといい、すでに複数回の整形手術を終えた後だったとみられる。

 「あいつや」「間違いないで」。市橋容疑者が今年10月11日まで、住み込みで勤務していたことが判明した大阪府茨木市内の建設会社の元同僚らは、5日に千葉県警が公開した市橋容疑者の顔写真を見て、口々に声を上げたという。

 元同僚らによると、「イノウエ・コウスケ」と名乗る男は昨年9月10日、大阪市西成区で作業員を募集していた同社幹部に自ら、「使ってくれますか」と売り込んだという。

 身長は、市橋容疑者と同じ約1メートル80。あごひげを生やし、髪の毛は、耳の後ろがくせ毛のようにカールしていた。関東地方の言葉遣いで、「横浜から来た」「東京や名古屋にいたこともある」と話していた。

 ◆いつも赤い帽子と黒縁の眼鏡、胴巻きには現金◆

 土木作業員の経験はなかったようだが、まじめに仕事を覚えていった。上司には「おはようございます」と大きな声であいさつをする一方、同僚との交流はほとんどなく、休日は部屋にこもって漫画を読んでいた。赤い帽子と黒縁の眼鏡を外した素顔を見られたくないためか、風呂は必ず一人で入っていたという。

 今年4月に全員でボウリングに行ったのが、数少ない付き合い。この時も、嫌がるのを同僚が無理やり連れて行ったという。ボウリング場で撮影した記念写真でも、前の人に隠れるように写っていた。

 「金に細かい」というのがもっぱらの評判で、同僚らとギャンブルに興じることもなく、現金を入れた胴巻きを常に身に着け、風呂にまで持ち込んでいた。「なんでそんなに金を持ってるの」と尋ねられると、「親に仕送りする」「100万円返さないといけない人がいる」などと話していたという。

 男は10月11日朝、給料を受け取って、そのまま姿を消した。部屋には、ビデオデッキや大量の漫画本が残されていた。

 元同僚は「『イノウエ君は変わった子やなあ』とうわさしていたが、まさか、市橋容疑者だったとは。今思えば、整形手術代をためていたのだろうか」と話した。

(2009年11月9日14時44分 読売新聞)

広大祭で新球場への思い語る

中国新聞社は7日、広島大(東広島市)の大学祭会場で、トークイベント「中国新聞in大学祭 とことんボールパーク」を開いた。卒業生2人が、広島市南区のマツダスタジアム(新広島市民球場)建設に携わった経験や情熱を語った。 約120人が参加した。広島東洋カープ元新球場担当部主任で、現入場券課長の山口恵弘(よしひろ)さん(31)は、バーベキューを楽しめるテラスやウッドデッキなど斬新なアイデアを生み出した経緯をたどり、「観戦以外でも楽しめるボールパークを目指した」と振り返った。

 広島市都心再開発部で新球場の施設整備を担当した萬ヶ原(まんがはら)伸二さん(46)は「テラスは消防法をクリアするための課題が多く、頭が痛かった」と苦労を披露。「球場をさらに進化させ、みなさんと新たな歴史を紡ぎたい」と抱負を述べた。学生から「市民にもっと開放してほしい」と注文が飛び出した。

 イベントは卒業生が建設にかかわっていたことを伝え、学生の新球場への親しみを深めるために企画した。

名古屋鉄道、テーマパーク事業を拡充 南知多ビーチランド改修

名古屋鉄道はテーマパーク事業を拡充する。イルカやペンギンを目玉にした水族館「南知多ビーチランド」(愛知県美浜町)を1億3000万円を投じて改装。イルカショーをみせるメーンスタジアムを改修し、物販店を増築する。さらに大阪のメーカーと連携し高さ40メートルの観覧車も導入するなどして施設の魅力を高め、来春開業予定の他社の大型テーマパークに対抗する。

 南知多ビーチランドを運営するのは子会社の名鉄インプレスで、ビーチランド開業30周年にあたる来年3月に「イルカと距離感ゼロの水族館」(長谷川修平所長)として改装オープンさせる。毎日3~4回イルカショーをみせるスタジアムは、来年1月から改修工事に入り観客席の最前列にある手すりを撤去。音響施設や塗装も全面的に取り換える。

 スタジアムに隣接したイルカの待機場所も年内にウッドデッキに替えて、児童園児がイルカと握手できる「ふれあいデッキ」(長谷川所長)を用意。来年3月まで希望者全員がイルカと握手する特別施設にする。現在は1日約20人に限定している。

 観覧車の導入は、観覧車メーカーの泉陽興業(大阪市)と組む。約3億円する観覧車(定員72人)の設置費用を泉陽興業が負担する一方、観覧車収入は同社と名鉄インプレスが分け合う。名鉄側は初期費用を抑えて大型施設を導入できる利点がある。

 南知多ビーチランドの年間入場者数は、おもちゃランド部門を含め年間50万人。この5年で10万人強(28%)増えた。ただ低学年向けテーマパークは、ナガシマリゾート(三重県桑名市)が子供に人気のアニメ「アンパンマン」を題材にしたテーマパークを来春開業する予定。すでに横浜市にある類似のテーマパークは年間400万人を集客しており、強力なライバルになる。

 このため、目玉施設の改修や導入に踏み切るほか、収益力を上げるため物販施設も増築し、年間2万人の利用者増を目指す。ペンギンと身近に接することができる「ペンギンランド」の新設も検討に入った。

子どもを虐待から守ろう!~北千住駅頭でオレンジリボンの運動キャンペーン

 1日、北千住駅西口広場およびぺディストリアンデッキでオレンジリボン運動のキャンペーンが行われた。

 足立区子ども家庭支援センターの職員、千住地区の民生・児童委員、東京未来大学の学生ら30人が行きかう人々に、オレンジリボンを配り、「子ども虐待防止」を呼びかけた。
 
 1000個のオレンジリボンは30分でなくなり、行きかう人々の意識の高さを思わせた。幼い子ども連れの母親が、民生・児童委員が話す子ども虐待の実態について、真剣に聞き入っている姿も見られた。

 2007年に、11月は児童虐待防止推進月間に指定された。オレンジリボン運動とは、子ども虐待防止の象徴として「オレンジリボン」を広める市民活動。
 
 平成20年度に足立区子ども家庭支援センターと足立児童相談所が受けた児童虐待件数は534件。年々、増加の一途をたどっている。虐待かもしれないと思ったら、まずは子ども家庭支援センターに電話を!
電話 3606−1333