館山の観光桟橋が完成 沖合の海上部は全長400メートル、日本最長

館山市の旧県立安房博物館(現館山市立博物館分館)沖合に、多目的観光桟橋が完成した。海上部は全長四百メートルあり、沖合に伸びた、長さでは日本で最も長い桟橋。地元の関係者らは観光の“核”になると期待している。

 地元では二十四日に完成記念前夜祭を開催。二十五日にはみこしなどが参加して桟橋で完成式典を開き、初寄港する商船三井客船所有の外航クルーズ客船「にっぽん丸」を出迎える。

 桟橋は、館山湾が二〇〇〇年、国の特定地域振興重要港湾に選定されたことを受け、国、県、館山市の三者が二年後に「館山港港湾振興ビジョン」を策定。この中で建設計画が浮上し、〇七年に陸上部、〇八年には海上部の工事に着手した。

 陸上部を含めた長さは五百メートル。海上部は幅六・三メートルで、先端部には三万トン未満の大型客船が接岸できる長さ二百四十メートル、水深七・五メートルの岸壁を備える。桟橋部分にはウッドデッキやフットライト、防護柵などが整備され、総工費は約十五億円。

 桟橋は完成式典が終わった正午から供用が開始される。本来なら自由に出入りできない県の港湾施設だが、管理を委託された市は観光振興のため一般開放する方針。

 桟橋への入場は、自転車以外の車両は禁止(船舶関係者を除く)で、岸壁への立ち入りも禁止。ローラースケートやスケートボードの使用は認めない。釣りは可能だが、投げ釣りやコマセをまくのは禁止する。

 市は市立博物館分館に展望デッキや駐車場、水族館、レストランなどの商業施設を建設し「渚(なぎさ)の駅」の整備を進めている。 (福原康哲)

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