フェリー横転事故  「油処理を最優先に」

御浜町沖のフェリー「ありあけ」横転事故を受け、25日に県庁を訪れた運航会社「マルエーフェリー」の有村和晃社長は、野呂昭彦知事からの要請書への回答書を東地隆司・防災危機管理部長に手渡した。(上村香代)

 船体の早期撤去などを求めた野呂知事の要請に対し、有村社長は「油の流出防止と残油の抜き取りが最優先。油の処理を完全に終えてから、サルベージ会社などの調査を基に撤去方法を検討するので、少し時間をいただきたい」と回答した。

 計約230点の積み荷リストも提出し、「危険品はないが、引き続き安全性を確認する」と伝えた。積載しているコンテナやトレーラーには、主に食料品や日用品が入っていた。現場近くの七里御浜海岸に大量に漂着したプラスチックの中間材料「レジンペレット」は、袋に入れて積んでいたものと同一であることが確認できたという。

 海上への重油の流出は食い止めたが、船内のデッキにも油が流出しており、回収して燃料タンクに移す作業を行っていることを報告。残油の抜き取りについて、同社は「波のうねりに左右されるため、どれだけの日数を要するか分からない」としていたが、東地部長は「条件が整ったケースを想定し、最短で何日かかるのか示してほしい」と要請。有村社長は「油の回収量や日数は、できれば毎日公表したい」とした。

 一方、国土交通省九州運輸局と運輸安全委員会のメンバーは26日、鹿児島市城南町の同社事務所を訪れ、「ありあけ」の乗船経験がある船員らに聞き取り調査を行う。

(2009年11月26日 読売新聞)

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