ワイングラス傾け、料理と絶景味わう 南陽・1日限定で野外レストラン

置賜盆地を見下ろす南陽市の十分一山で4日、景観と地産料理を楽しむプロジェクト「赤湯温泉白竜銀河の森・ぶどう畑のレストラン&十分一山自然環境ツアー」が行われた。東北芸術工科大のプロダクトデザイン学科生が仮設した1日限りの野外レストランが山中に出現し、参加者はワイングラスを傾けながら秋の夕暮れを満喫した。

 プロジェクトには南陽市内や山形市、長井市、福島県郡山市などから集まった家族連れや中高年夫婦などのほか芸工大生ら約50人が参加。十分一山中腹の通称「三段道路」入り口から、森林ガイドの案内で木の実拾いや巨木の名前付けを楽しみながら約2キロを散策した。白竜湖を見下ろす見晴らしの良い一角に出ると突然、直線的な木の構造物が並ぶ「レストラン」が出現。「うわーっ」と歓声を上げる参加者を、準備に当たった芸工大生らが出迎えた。

 木組みの台を活用したウッドデッキ風のフロアに、白木の風合いを生かしたいすやテーブルが並び、周囲の木々には果実栽培の袋がけをイメージした照明灯も。中央の「バー」では市内4ワイナリーのボトルが並び、早速地産料理のバイキングとワインを味わうと「地元でもこんな経験めったにできない」「空気も景色も料理も最高」と笑顔が広がった。学生たちも「春から構想を練った。本当に実現するとは思わなかった」「みんなのアイデアを出し合い予想以上の空間が演出できた」と感無量の様子だった。

 レストランは、赤湯の旅館「瀧波」(須藤清市社長)が所有する「白竜銀河の森」の一角。須藤社長は「初の試みだったが大成功で良かった。当面この空間は残しながら新たな活用法も考えたい」、学生の指導にあたった西沢高男准教授は「成果を生かし学生たちとさらに新たな観光や森林活用の可能性が探っていければ」と意欲を見せていた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA