足水場:三島・楽寿園に、お目見え 富士の湧水、体感を /静岡

三島市一番町の市立公園「楽寿園」にあるミシマバイカモの池に、ウッドデッキ付きの「足水場」がお目見えした。足湯ならぬ「足水」で気持ちをリフレッシュできる。池の水は富士山が源の井戸水で、バイカモの観賞とともに自然の恵みを体感できる。

 池の水温は、1年を通して15~16度とほぼ一定だという。ウッドデッキはL字形で縦5メートル、横3メートル。同園がマツの木材を買い、職員が仕事の合間に仕上げた。杉山静雄園長は「富士山のきれいな湧水(ゆうすい)を肌で感じてほしい」と話している。

 楽寿園はJR三島駅南口にあり入園料は大人300円、4歳~中学生50円。月曜休み。【安味伸一】

大幅値上げでやめる?続ける? 紫煙分け目の「10・1」

たばこが、10月1日からのたばこ税増税に伴い大幅値上げされる。増税は4年ぶりだが、財源確保を狙った過去の例と異なり、狙いは健康増進。〈たばこ離れ〉を促す異例の増税で、愛煙家を取り巻く環境は一層厳しさを増す。店舗に喫煙場を新設した小売店が関西で初めて現れる一方、医療機関の禁煙外来は志願者が列をなす。値上げまで10日。2500万人の喫煙者はどう動くのか。

(社会部 淵上俊介、神原康行)
喫煙場設け小売店防戦
 □販売25%減か

 国内外の約300銘柄をそろえる大阪市西区の老舗たばこ店「ふくすけ堂」は今月、オフィス街に面した店頭に喫煙場(約7平方メートル)を設けた。同店によると、喫煙スペースを設けた店は関西初。ウッドデッキにベンチを据え、4~5人が座れる。日中とぎれることなくサラリーマンらが訪れて紫煙をくゆらせている。

 日本たばこ産業(JT)は、10月から1年間のたばこ販売数量は前年より25%落ち込むと予測。今年、過去最低の23・9%となった喫煙者の比率も来年はさらに下がるとみている。財務省によると、喫煙者減などで毎年1万店前後のたばこ店が廃業しているという。

 ふくすけ堂店主の熊谷博明さん(55)は「今後、廃業ペースは進むだろうが、公共の場の全面禁煙が広がる中、愛煙家が気兼ねなく喫煙できる場を提供するのは、店を守るためと同時に社会的責任と考えた」と明かす。

 □今度こそ成功

 禁煙外来がある同市天王寺区の「上本町わたなべクリニック」には8月以降、値上げを理由に禁煙を目指す男性が約300人も来診した。普段の月の1・5倍に上る数という。

 禁煙治療は2006年から保険が適用され、投薬など約3か月の治療プログラムは2万~3万円。1日1箱吸う人なら、約3か月分のたばこ代と変わらない。昨年は約1000人に禁煙指導し、8割が成功した。

 受診者は一様に、過去の禁煙挫折体験や、家族に煙たがられるつらさを訴えるという。「愛煙家を気取りながら本音では禁煙したい人が大半。今度こそはあきらめの悪い人たちも引導を渡されるのでは」と、渡辺章範院長(37)は期待する。

自治体や農家、減収の懸念も
 □税収2兆円割れ

 「健康志向が進む中、税収減も仕方ない。自治体が喫煙を奨励するわけにもいきませんし……」。大阪府の担当者は複雑な表情だ。

 たばこ税の6割は地方に回り、財政難に悩む自治体には貴重な収入だ。だが、たばこ離れの加速で、増税でも今年度の税収は、20年ぶりに2兆円を割り込む見通し。府も6億円の減収になると予測している。

 葉タバコの生産が全国一で、約1000戸の生産農家がいる熊本県。増税による販売量の減少で、作付面積も縮小するとみる。県農産課は「増税幅が大きすぎる。農家への影響が心配だ」と表情を曇らせる。

 たばこ値上げ 1本あたり3・5円、1箱(20本)70円の増税は過去最大。品質維持などのコストが上乗せされ、JTは106銘柄中104銘柄を110円~140円値上げする。

(2010年9月21日 読売新聞)

ジョー山中、家族全員無事も自宅全焼

6日午前5時半ごろ、「人間の証明のテーマ」などのヒット曲で知られるミュージシャン・ジョー山中(64)=本名・山中明さん=の神奈川県鎌倉市内の自宅から火が出ているのを妻(36)が発見。火は約1時間後に消し止められたが、木造平屋建て約100平方メートルを全焼した。山中と妻、長男(6)、次男(3)は逃げ出して無事。近隣への被害もなかったが、保管していた貴重な音源や写真などを焼失し、山中は大きなショックを受けているという。

  ◇  ◇

 神奈川県警大船署によると、妻が焦げたにおいに気づいて起き、近隣住民に119番を依頼。同署によると、山中らは知人約30人を招いて、出火する前日の午後1時から9時までバーベキューをしていた。同署では「ウッドデッキの部分が特に燃えていたようだ。(最近)付近で放火事件は起こっていない」とバーベキューと出火の関連性を調べている。

 全焼した住宅はほとんど骨組みだけを残す、見るも無残な姿…。前夜のバーベキューにも参加していた関係者は「バーベキューは関係ない。放火もない。エアコンかな。ずっと暑かったから…」と話し、「家は(築)30年くらいになるのかな。彼自身のものも含めて、長年集めたレコードの音源や写真、資料が全部燃えちゃった。何一つ残ってない。お金には換えられない…」と寂しげな表情を浮かべた。

 全焼した住宅は山中の事務所「SATORI」を兼ねていた。グループサウンズ(GS)ブームの1966年に「4・9・1(フォーナインエース)」のボーカルとしてデビューして以来、山中が40年以上にわたる音楽活動の記録の数々が焼失。前夜の宴でも流したジャマイカのレゲエの音源など、貴重な“お宝”もすべて失われ、本人のショックは計り知れない。

 関係者によると、山中は今年3月に肺がんを公表したが、体調には問題なく、現在、一家は神奈川県逗子市の親類宅に身を寄せているという。

ガラス大屋根の開放感、5代目大阪駅が全容現す

2011年春の完成を目指し、全面改装中のJR大阪駅の外観がほぼ完成した。初代から数えて5代目。来春、九州新幹線鹿児島ルートの全線開通に伴い、新大阪―鹿児島中央間を直通する「さくら」もデビューし、大阪駅は九州から関西に訪れる観光客らの集客の要としても期待が高まっている。

キタ玄関に光あふれ
 最大の特徴は、シンボルのガラスの大屋根(東西180メートル、南北100メートル)。駅北側にできる新北ビル「ノースゲートビルディング」(28階建て)の12階から、線路をまたいで、駅南側の「サウスゲートビルディング」に向け、斜め下に張り出している。ヨーロッパでは一般的だが、日本では極めて珍しい。

新北ビルは、専門店が入る東側と、低層階に「JR大阪三越伊勢丹」、高層階にオフィスなどが入る西側に分かれる。

 アクティ大阪を増築した「サウスゲートビルディング」とは2階建ての橋で結ばれる。下層部は橋上駅舎と連絡通路、上層部は「時空(とき)の広場」として整備される。九州新幹線「つばめ」を手がけた工業デザイナーの水戸岡鋭治さんが監修した。


 今月10日、一足早く、新北ビルの内部を歩いてみた。

「駅のあらゆる場所から列車が見える。精巧なジオラマみたいでしょう」

 阪急梅田方面と新設の橋上駅舎を結ぶ歩行者の新たな動脈となる新北ビル3階のデッキ。工事を仕切るJR西日本の村田直紀・大阪駅改良工事所長が胸をはった。見下ろすと、新快速や大阪環状線があわただしく発着を繰り返す。

 新北ビル中央部分には高さ約35メートル、幅約44メートルの巨大な吹き抜けの空間がある。

 今度は、吹き抜けの中央部にあるエスカレーターの上(新北ビル7階)から眺めてみた。

時空の広場はクレーンが置かれ、鉄板がむき出しのままだが、完成後、床面はウッドデッキになる。ホームの屋根も取り払われるため、1日約1400本が行き交う列車を手に取るように見ることができ、鉄道ファンには絶好の撮影場所となるだろう。

 大阪駅再開発プロジェクトの責任者である宮崎博司・大阪ターミナル開発チーム課長は「列車に乗るためだけでなく、人が集う場にしたい。行き交う列車や大屋根が生み出す開放感が、人を楽しませる雰囲気を演出してくれると期待しています」と話した。

 JR西は5年前、乗客106人が死亡した福知山線脱線事故を起こした。以来、安全投資に力を注いできたが、今後も安定的に資金を確保するためにも、関西の玄関口である大阪駅の集客力がカギとなる。(社会部 井口馨)

 JR大阪駅 初代駅舎は木造れんが造りで、神戸―大阪間が開通した1874年(明治7年)頃にできた。4代目は1979年に完成したが、狭いうえに階段が多く、時代に合わなくなった。2004年5月に全面改装に着手し、総事業費は約2100億円。6月末現在の全体の進捗(しんちょく)率は63%。

(2010年8月14日 読売新聞)

「島の日常」アートで描く

淡路島内を舞台に、島内外の芸術家がユニークな作品を発表する「淡路島アートフェスティバル2010」が今年も、8月1日から開催される。「暮らしっぷり淡路島」をテーマに、島での仕事や生活に密着。3会場で、島民の働く姿を映像や音で紹介したり、放置された公園の噴水をリゾート地のプールに“変身”させたりと、趣向を凝らす。29日まで。

 NPO法人・淡路島アートセンターが芸術家らに呼びかけて開き、6回目。

 旧淡路市立生穂第二小を改装した交流施設・ノマド村では、「テシゴトノオト handwork sounds」として、校庭の一角にモンゴル式テント・ユルテを設置。

 その中で、島内の大工や農家の女性ら5人の仕事ぶりを、映像と写真、音で紹介する。企画した一人で、映像作家の茂木綾子さん(41)は「島には昔からある仕事が残り、職人も多い。地域に焦点をあてた作品を作りたかった」と話す。

 村内では、淡路市の布団職人・土井章広さん(30)が「DOI ホイホイ」と銘打った作品を展示。ゴキブリ駆除用品の約15倍サイズの家を作り、中に布団を敷いて来訪者を待つ。「布団の気持ちよさにひたって」と土井さん。

 洲本市役所に隣接の屋上公園。東京都在住の彫刻家タノタイガさんが、「プライベート・パブリック・プール」として、放置されている噴水(直径6メートル)をプールに造り替え、周囲にウッドデッキを敷く。

 すもと公設市場では、地元の夫婦ユニット・アワジックホラー(安部崇之さん、美智子さん)が「喰暮―しょっく―」と名付けたアートを披露。空き店舗を活用し、子鬼が買い物する様子を描き、顔出し看板を設ける。

 フェス事務局は「アートが身近な所にあることを知ってもらい、気軽に作家と交流してほしい」とする。

 期間中、ノマド村は土日の正午~午後8時、プールは7~29日(雨天休止)の正午~午後5時に公開する。市場は午前10時~午後7時で、木曜定休。問い合わせは事務局(090・5066・4604)へ。

(2010年7月28日 読売新聞)

ピンクのハス、水面華やかに 各務原市

各務原市鵜沼西町の翠池(よしいけ)でハスの花が見ごろを迎え、薄いピンク色の優雅な花が咲き誇っている。

 翠池は、住宅地内にある農業用のため池で、広さは約5200平方メートル。池には以前からハスが自生しており、同市が2003年度にハスを観賞できるウッドデッキや公園を整備。池に生えている雑草なども除去され、池の見栄えがよくなった。

 ハスは池のほぼ全面を覆っており、ピンク色の花に交じって白色の花も咲いている。同市農政課によると、見ごろは今月末ぐらいまで。

子育て交流は学びの場

広島文化学園大と同短大が毎週火曜日の午前10時半から正午まで、広島市安佐南区の広島長束キャンパスで、乳幼児と保護者を対象とするオープンスペース「ぶんぶんひろば」を開いている。

 地域の親子に安心して過ごせる場を提供し、子どもの発達や教育・保育に関する学生たちの実習・研究に役立てるのが狙い。「子ども・子育て支援研究センター」の10月開設に先立ち、5月から試験運営を始めた。利用は無料。

 事務室を改造した約150平方メートルのスペースを開放。保育士2人が常駐している。ウッドデッキも備えた明るい空間に、遊具やおもちゃ、絵本などを豊富にそろえている。母親の思いや悩みを聞く相談室や子どもの動きを多角的にとらえるためのカメラ3台も置いた。

 現在は、安佐南区内の親子連れが、毎週5~15組集まっているという。長女(1)と数回訪れた近くの主婦安部淳(あき)さん(35)は「公園なんかだと子どもから片時も目を離せないけど、ここなら安心。学生の勉強の役にも立てるなら、できるだけ協力もしたい」と話していた。

 同センターの正式オープン後は毎週火、金曜日の午前10時半から午後3時まで開く予定。同センターではこのほか、小学生が放課後に集う「ぶんぶんクラブ」や障害児の親子を招く音楽教室「ミュージックチャイルド」などの開設準備も進めている。

 センター長を務める学芸学部の原田宏司学部長は「大学と地域が互いのニーズを満たしながら、自由に交流できる場にしたい」と話している。(松本大典)

新エルムの森:北大正門脇に移転 木のぬくもり/自然エネルギー活用 /北海道

北海道大のインフォメーションセンター「エルムの森」が、札幌市北区北8西5の北大正門脇に移転オープンした。緑豊かなキャンパスの景観に合わせた木のぬくもりを感じさせる外観で、太陽光などの自然エネルギーを活用したエコ・スポットともなっている。

 新エルムの森は木造平屋建ての324平方メートルで、以前にあった農学部近くの場所から西側に約300メートル移転した。学内イベントの情報提供や北大の広報誌などを用意し、北大オリジナルの文具や特産の食料品なども販売している。喫茶コーナーもあり、屋外のウッドデッキでくつろぐことができる。

 大きな特徴は、環境への負荷を抑え、自然エネルギーの活用に工夫した点。隣接する学術交流会館に一般家庭4~5軒分の使用量を発電できる太陽光パネルを設置したほか、地中熱を活用したヒートポンプを冷暖房や融雪に使う。照明も効率がいいLED(発光ダイオード)を導入する徹底ぶりだ。

 開館時間は午前8時半~午後5時で、年末年始を除き年中無休。【千々部一好】

長野市民会館は東街区にと要望

長野市権堂地区で再開発計画を進める地元の準備組合の役員ら6人が2日、市役所を訪れ、建て替える予定の長野市民会館を長野大通りの東側(東街区)へ建設するよう鷲沢正一市長に要望した。
 要望書は、市民会館側と、大通りを挟んで西にあるイトーヨーカドー長野店を横断デッキで結び、同店ビル内に公益施設を入居させることも求めている。準備組合の市村信幸理事長が鷲沢市長に手渡した。

地下水採水企業が地域貢献 延岡・北方に保養施設

 延岡市北方町下鹿川に風呂やサウナ、集会場を備えた住民向け保養施設「豊潤の家」が完成した。同地区で地下水を採水し、全国に販売している企業が地域貢献として建設し無料開放。住民たちは「娯楽施設がなかったのでありがたい」と喜んでいる。

 建設したのはエステティックサロンや健康食品販売などを展開する美研(福岡市、川口久稿社長)。同地区の地下水を加工したミネラルウオーターの製造工場を2008年から同所で稼働させており、保養施設は隣接地に建設。延べ床面積約132平方メートルの木造平屋で、鹿川渓谷を見渡せるウッドデッキや調理場、宿泊設備もある。地区住民が管理し、同地区の住民と家族には無料で開放している。